古代の日本語などを解説する人気言語学系YouTuber、パクリ疑惑を釈明

パクリ疑惑が指摘されていた人気言語学系YouTuberが、Xに謝罪文を投稿しました。

他人の研究を盗用していると主張 精神医学に関する倫理的に疑わしい内容を拡散しているとも

言語学系YouTuberの「minerva scientia」(すきえんてぃあ / 登録者数14万人)は、古代の日本や中国で使われていた言語の解説動画を中心に、AI合成音声やイラストを駆使した動画を投稿しているYouTuberです。

YouTube動画

ことの発端は、言語学を研究する「常藍守奏」(とかいもり かなで)がXに投稿したポスト。プロフィールによると、韓国人である常藍守は日本の大学院に籍を置き、日本列島で話される語族「日琉諸語」についての研究をおこなっている人物です。

以前からすきえんてぃあを知識不足だとして批判していた常藍守は1月20日、Xですきえんてぃあの動画は「ウィキのコピペと、他人の研究の盗用で作られています」とあらためて主張。その後、証拠となる内容をポストでまとめていきます。

常藍守はすきえんてぃあを「『世界最先端』の研究を行っていると自称し、ちょっと痛い『天才アピール』を延々と続けているだけの素人」と批判。投稿している古代中国語講座の動画内容は「ウィクショナリー(ウィキペディアの語学辞書バージョン)から漢字の復元発音をコピペしているだけ」「コピペした発音を一部アレンジしているが、ちゃんとした知識がない状態でやっているので大失敗している」と、誤りを細かく訂正しながら指摘します。さらに、すきえんてぃあがXで紹介している高句麗語(古代朝鮮の言語)の解読が「実は怪しい個人ウェブサイトに載っている高句麗語の記事の『文字化け』を高句麗語と勘違いして解読している」ことや古代の中国王朝名の「当時の発音」を紹介する動画が「コピペ情報である」こと、琉球諸語の動画が「デタラメ」であることも列挙していきます。

その一方で、すきえんてぃあの動画には「学術的に価値のある新説も含まれています」とも述べる常藍守。その理由として、自身がかつてすきえんてぃあにこの分野の先行研究を教えていたことを明らかにします。

趣味でこの分野を長年研究していたという常藍守は、Xで過去に別アカウントで活動していたそう。そのとき、「今より更にひどいレベルだった」すきえんてぃあに自身の研究内容や先行研究など様々な知識を教えていたといいます。

しかし常藍守が諸事情で2019年夏にXの旧アカウントを削除すると、すきえんてぃあは自身が教えた研究内容を「まるで自分が今発見したかのように、雑な『俺わかっちゃったぞ!!!』ごっこをして、嘘の証拠を作って」いたと主張。常藍守がこのことを追及すると、「私が外国人で日本語の非ネイティブであることを利用し、私が氏の日本語を誤読しただけだと主張しました」と当時を振り返ります。

そして、このように得た影響力を利用して「精神医学に関する倫理的に疑わしい内容を拡散」しているとも主張。「精神医学に関する発言力をなくさないといけない」としてこの件の拡散を呼びかけていました。

謝罪しつつも「私には異なる由来から構築された考えがあります」と反論

こうした状況を受けてか1月21日深夜、すきえんてぃあはXで常藍守へむけた「お詫び」文を掲載。自身は常藍守に知識を教えてもらっていたことを認めたうえで、文字数制限のあるXではこうしたやりとりが「引用を省略しながら、極めて複雑な文脈の中で語られていました」と釈明しました。

そのうえで、自身は言語学において「非専門家」であると説明。XとYouTubeは趣味のために利用しており、YouTubeでは特に言語学動画が多く再生されていたそうで「説明不足で誤解を与えたことを申し訳なく思います」と謝罪します。

常藍守に対して謝罪の弁を述べる一方で、今回の件は「状況の変化が急激に、かつ、事前通告なく起きた」と主張するすきえんてぃあ。常藍守の説だけでなく、引用しただけの既存の説までもすきえんてぃあが剽窃しているとされていることに戸惑いを見せます。

また、常藍守が自身を「不勉強であるから『劣化コピー』しか生み出せない」と批判していることにも反論。「奏先生にとっては説とも言えないような素人意見かもしれませんが、私には異なる由来から構築された考えがあります」と主張しています。

これを受けて常藍守は1月22日、「謝罪文を公開してくださったすきえんてぃあ氏に、深い尊敬の意を表します。ミスを認めることは、非常に勇気が必要で、高貴な精神を持つ証拠です」と投稿。その一方で、「謝るべき対象は私個人ではなく、氏の披露する知識に信頼を寄せた視聴者の方々、そして精神医学に関する氏の発言に、もし不本意だとしても、苦しめられた精神疾患の当事者・保護者・支援者の方々だと思いました」とも呼びかけています。