早稲田メンタルクリニック【こころ切り抜きCh】精神科医 益田裕介

早稲田メンタルクリニック【こころ切り抜きCh】精神科医 益田裕介

悲観的思考が頭の中で止まらない人の特徴と治療法【早稲田メンタルクリニック 切り抜き 精神科医 益田裕介】

Video Type
一般
Published at
2024年9月12日 20:45
動画長さ
07:08
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30
エンゲージメント率
4.7%
データ確認日時
2024年9月19日 16:33

動画概要

今日は「同じところをぐるぐる悩むのはなぜか?」というテーマでお話します。

患者さんの中には、同じところをぐるぐると考えてしまう人が多くいます。
今日はポジティブに受け止められていたけれど、ささいなことをきっかけにネガティブに戻ってしまい「やっぱり自分てダメなんだな」「私って嫌われてるんじゃないかな」と、いつものところをぐるぐる思い悩んでしまいます。

「ポジティブに考えられるようになりたいんです」と患者さんは言うのですが、それを僕はあまり勧めていません。
というのは、結果的にポジティブになるのは良いのですが、ポジティブになろうとしても一時的で、ネガティブに戻ることが多いからです。

つまり、「良いかもしれない」とポジティブに考えられる瞬間はあっても、冷静になれば「悪かった」と気付くのです。
ポジティブに現実を歪曲させても、冷静になると落ち込む。そして必要以上にネガティブに考え続ける。
それを繰り返すのでぐるぐる悩んでしまいます。

■問題を正しく認識する

ポジティブネガティブに左右されず、正しく認識するにはどうしたらいいのでしょうか?

認知行動療法において大事なのは「正しく認識する」ということです。
よく例えられるのが「コップの水」問題です。

コップの水は多いのか少ないのか?「少ししかない」と思ったらネガティブ。「こんなにある」と思ったらポジティブだと言われます。
「こんなにある」と思える人になりなさいと言われますが、患者さんに対してはこれだとうまくいかないことが多いです。

気分によって人は見え方が変わります。
機嫌が良い時は多いと思えるかもしれませんし、機嫌が悪い時はこれぽっちしかないと思うかもしれません。
喉が乾いてるときはこれぽっちでは全然足りないと思うかもしれませんし、たらふく水を飲んだ後ならば多すぎると思うかもしれません。

気分、立場、状況によって見え方は変わるのです。

晴れている日はポジティブな感じで受け止められるけれど、落ち込んでいるときは「ポジティブになれるように励ましてください」「何かポジティブに見える方法はないですか」「自分の気持ちを切り替える方法はないですか」と診察室で聞く。
これは本質的な解決策にはなりません。
コップの水が一時的にいっぱいあると思えたとしても、冷静になると「これだけの量」なのです。

ですから、問題は存在します。

アドラー心理学では「トラウマは存在しない」と励ましますが、実際にはトラウマは存在します。
当然存在しますし、問題はありますし、障害も病気もあります。
なくなってはいないのです。目の前にあります。

それを「正しく認識する」ことが重要だと考えます。
問題はなかったのだ、自分は発達障害ではなかったのだと思っても、たとえ診察室の中で僕に「あなたは病気じゃないよ、大丈夫だよ」と励まされたとしても、やはり家に帰ってアルバイトをしたりしてうまくいかずに悩みます。そして同じところをぐるぐる回ってしまいます。

患者さんの訴えというのは、きちんと存在するのです。
周りの人がいくら否定しても、それは相手を騙す意味でも励ます意味でも、問題は存在します。

ですからそれを正しく認識することが大事です。
発達障害で問題があったとしても、程度はこれくらいなのだ。
一喜一憂せず、自分の特性、能力、障害、病気を正しく認識することが重要です。

その上で解決できる問題を一個一個建設的にやっていけば、結果的に治療は進んでいきますし、良い人生を送れるということです。

まやかすのではなく、正しく受ける、認識することが非常に重要です。

■ネガティブ・バイアス

実際、人間は物を悪く見てしまう時があります。

気分の問題、精神的な疲労、そのときの状況、生い立ちの問題などがあり、ネガティブに物が歪んで見えてしまうことがあります。

僕らは正しく認識しようと思っても認識することができないのです。
人間には心というものがあり、気分、疲れ、状況、過去の記憶などがあるので、正しく認識しようとしてもできません。

生まれつきできるできないというものではなく、基本的にできません。
できないのですが、できるように努力していく、訓練していく、バイアスを認識していくことが重要です。

気分や疲れならば1日寝れば良くなりますが、生い立ちの問題や特性からくる「いつも白黒思考になってしまう」といった強固なバイアスを「スキーマ」と言います。

■ネガティブ・バイアス

実際、人間は物を悪く見てしまう時があります。

気分の問題、精神的な疲労、そのときの状況、生い立ちの問題などがあり、ネガティブに物が歪んで見えてしまうことがあります。

僕らは正しく認識しようと思っても認識することができないのです。
人間には心というものがあり、気分、疲れ、状況、過去の記憶などがあるので、正しく認識しようとしてもできません。

生まれつきできるできないというものではなく、基本的にできません。
できないのですが、できるように努力していく、訓練していく、バイアスを認識していくことが重要です。

気分や疲れならば1日寝れば良くなりますが、生い立ちの問題や特性からくる「いつも白黒思考になってしまう」といった強固なバイアスを「スキーマ」と言います。

■協働的経験主義

これは何かと言うと、「治療の主体はあくまで患者さんである」ということです。

患者さんは治療者に「ポジティブな声かけをしてください」「励ましてください」「ポジティブになるようなやり方を教えてください」と言いますし、もしかしたら僕らは知っているのではないかと思うかもしれません。
ですが、僕らは知らないですし、僕らが知っていることを患者さんに伝えてもあまり意味がありません。

治療の主体はあくまで患者さんであり、皆さんが自分で考えて動いたり悩んだりしていることを、あくまで僕らはサポートしていく立場にあります。それを協働的経験主義と言います。

もちろん言葉をかけたり、考えるヒントを出したりすることはありますが、患者さんが中心になるということです。

・短期的、中長期的目標
目先の目標を立てることも大事ですし、中長期的な目標を立てることも大事です。
治療というのは問題解決の連続ですが、問題解決の先にはどのようなビジョンがあるのか、ということを考えるのはすごく重要です。

1年後、5年後、10年後どのような自分になっていきたいのか。どういう風に生きていきたいのか。
限りある人生をどう生きたいのかを考えておきます。
もちろん訂正しても良いし変えても良いのですが、そういうことが重要だと言われています。

■正しく認識することの欠点

しかし、正しく認識することについて話してきましたが、これには欠点があります。

「正しく認識できない人はどうしたら良いのですか」
「認知行動療法をすれば苦しくなるだけで私は楽になれませんでした。どうしたら良いのですか」
という患者さんはたくさんいらっしゃいます。

正しく認識すると苦しい、という話です。

正しく認識することはすごく重要ですし建設的にやれる治療法ですが、限界はあり、それをやった時の苦しさ、惨めさはあるなと思います。
ですから、すべての人には認知行動療法を勧めにくかったりします。
ここら辺は難しいです。

治療者が思っている世界と患者さんが抱えている世界、患者さんたちが苦しい思いをしていること、どのように立ち向かっていくのかということはよく悩みます。
あくまで精神科医としては共感しつつも、自分たちがやる仕事を淡々とやっていくということです。

限界はあるにしても、認知行動療法は素晴らしい治療法なので、そのようなことをやっていくというのが僕らのスタンスです。それを理解してもらった上でいろいろなことをやっていく、いろいろな考え方を知ってもらうのが良いと思います。

今回は、「同じところぐるぐる悩むのはなぜか」について、精神科医目線から認知行動療法的なアプローチを紹介しました。

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▼自己紹介
益田裕介
防衛医大卒。陸上自衛隊、防衛医大病院、薫風会山田病院などを経て、2018年都内で開業。専門は仕事のうつ、大人の発達障害。といいつつ、「なんでも診る」ちょっと変人よりの町医者です。
趣味は少年ジャンプとお笑い。キャンプやスキーに行きたいです。2020年6月5日より断酒継続中。

▼参考
厚労省みんなのメンタルヘルス https://www.mhlw.go.jp/kokoro/
カプラン 臨床精神医学テキスト第3 https://www.medsi.co.jp/products/deta...
倫理規定について https://note.com/mentalyoutubers/n/nb...

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