高須幹弥医師、キャバ嬢や港区女子に広がる「マンジャロ依存」を解説 「ズルいことやったものがち」の業界に苦言
5月28日、美容外科医の「高須幹弥」(登録者数92万人)が「【キャバクラ嬢】マンジャロ依存症の女性が増えている理由【港区女子】」と題する動画を公開し、本来は高度の肥満症や糖尿病の治療薬であるマンジャロを過剰に使用し、やせすぎてしまう女性が増えている背景について持論を語りました。
オンライン診療の普及が背景に
高須はまず、マンジャロが近年あらためて話題になっている理由として、インターネット番組での紹介や、オンライン診療での処方が「ブーム」になっている現状を挙げました。その上で、オンライン診療は利益が出やすい形態だと指摘。実店舗のクリニックを構えれば、駅近の物件の家賃や看護師・受付の人件費といったコストがかかる一方、オンライン診療では対面でなく画面越しに簡単な問診を行い、薬をクール便などで郵送するだけで完結すると説明しました。
担い手についても、研修医を終えた後に専門医を取らず、いわゆる「バイト医」や「ニート医」となる医師がこうした業務を担うケースがあるとし、「正直、医師免許があればもう誰でもできる」「何も考えなくてやれちゃう」と踏み込んでコメント。コストパフォーマンスやタイムパフォーマンスを重視する若手医師が増えた結果、大学病院で働くよりアルバイトの方が稼げる現状があるとしつつ、「その代わり何も技術が身につかない」と懸念を示しました。
「マンジャロも整形も美容女子にとっては努力」
本来は糖尿病や極度の肥満症の治療を目的に開発された薬であるにもかかわらず、普通体型やむしろやせ気味の女性が自分でマンジャロを過剰に注射し、ガリガリにやせてしまうことが問題になっていると高須は語ります。週1回ペン型の注射器でボタンを押すだけの手軽さも、過剰使用につながっていると見ています。また、医薬品の過剰な処方は必要とする人へ薬が届かない「薬不足」も引き起こしかねないことも問題だと述べています。
なぜ依存的なまでに使ってしまうのか。高須はその理由を「もう女同士の戦いですね」「マウントの取り合いっていう感じ」と分析しました。スマートフォンで自撮りや写真撮影が容易になり、それをインスタグラムやTikTokに投稿して自分と他人を比較する機会が増えたことで、「ちょうどいい体型」を通り越して「細ければ細いほどいい」という一方通行の価値観が生まれていると指摘。キャバクラ嬢や港区女子の間でも「どっちが細い」と競い合い、「誰々ちゃん(マンジャロを)打ってるらしいよ」と聞けば自分も打つ、という流れが当たり前になっていると述べました。
現在の日本人女性は20代など若年層の約2割がBMI18.5未満で、これは世界的に見てもやせすぎの水準だといいます。本来は飢餓状態の人に見られる数値であり、そうした「病的」とも言える体型が若い女性の目指す姿になってしまっていると警鐘を鳴らしました。
やせすぎがもたらす健康被害
マンジャロはGLP-1受容体とGIP受容体の両方に作用する作動薬で、食欲を抑えて食事量を減らし、体重減少や血糖改善をもたらす医薬品です。高須は、同種のGLP-1受容体作動薬の中でも「マンジャロが一番効く」と感じる人が多く、名前が広く知られるようになった結果、多くの人が選ぶようになったと説明しました。
高須は、カロリーが極端に足りない状態になると、体は生命維持に必要な部分へ優先的にエネルギーを回す「省エネモード」に入ると説明。その結果、肌のコラーゲン繊維やエラスチン繊維が失われて老化が進み、ホルモン分泌も最小限になって活動レベルやメンタルが不安定になると述べました。場合によっては精神疾患や、妊娠しにくくなるといった問題も生じ得るとしています。
通常マンジャロは2.5mgから開始し、数週間かけて段階的に増量していく薬ですが、オンライン診療や「裏ルート」を含む複数の入手経路があるため、1人の医師が責任を持って処方するとは限らず、自己判断で過剰に投与してホルモンバランスを崩す人もいると注意を促しました。
インフルエンサーの宣伝に「グレーゾーン」
さらに高須は、インフルエンサーや実業家が「私もやってる」「これでやせた」などとマンジャロをネット上で宣伝することが問題視されている点にも言及しました。
本来は医師の処方箋が必要な医薬品であり、医師でない人物が一般大衆に向けて宣伝する行為は、厚生労働省が定める医薬品等適正広告基準に抵触する可能性があると説明。インフルエンサーが対価を受け取って体験談を発信する手法は医療広告ガイドライン違反にあたると高須は認識しているとしつつ、別のビジネスで対価を受け取るなどの「抜け道」によって、それが当たり前になっている現状を問題視しました。
一方で、対価を受け取らずに個人の体験談としてSNSで発信すること自体は表現の自由の範囲で問題ないとも整理。問題なのは、対価を伴う体験談や加工した画像を使った集客だとし、自由診療や美容医療の業界について「ズルいことやったものがちで、みんなズルいことやるのが当たり前になってしまった」と業界全体の体質に苦言を呈しました。









