「ファンと推しは所詮お金でしか繋がっていません」 現役アイドルが“推し活”について語った動画が波紋

アイドルグループ「BLUEGOATS」(登録者数8万人)のメンバーであるほんま・かいなが、自身のXに投稿した動画「推し活にハマっても、人生幸せにならない」が大きな波紋を呼んでいます。

青春パンクアイドルのメンバー

ほんま・かいなが所属する「BLUEGOATS(ブルーゴーツ)」は、2021年11月結成の4人組・青春パンクアイドルです。メンバー自身が作詞や振付を手がけるセルフプロデュース色の強いグループとして知られており、ほんま・かいなは看板楽曲の多くで作詞を担当してきた中心人物です。一方で、「クズアイドル」と銘打った楽曲やその撤回をかけた42.195kmフルマラソン挑戦、時事ニュースに切り込む動画など、過激な体当たり企画やストレートな発信で「炎上系」とも称される存在です。

そんなほんま・かいなは、推し活業界のあり方について直近で立て続けに問題提起をしています。4月21日には、まいどなニュースが彼女のSNS投稿「推し活してる人、全員異常者」を取り上げる形でロングインタビューを掲載。グッズの未着問題や会場の収容人数を超えたチケット販売など、ファン心理につけ込む業界慣習に警鐘を鳴らした内容が大きな反響を呼んだばかりでした。

ファンと推しは所詮お金でしか繋がっていません

今回の動画は、4月29日に自身のXアカウントに投稿したものです。冒頭、ほんま・かいなは「ファンと推しは所詮お金でしか繋がっていません」と切り出し、「生活費を削ってまでやる推し活って本当に幸せでしょうか?」と問いかけました。運営や演者から雑に扱われていると感じながらも課金してしまった経験はないかと、ファン側の心情に踏み込んでいきます。

そのうえで、ほんま・かいなは推し活というシステムの構造そのものに切り込みます。「推し活って沼るシステムみたいなのは存在してても、そこから抜け出す仕組みみたいなのはほぼほぼ存在してなくて、運営もそれを分かってて」と語り、絵柄違いのアクスタを次々と出すことや、CDに抽選券を付けて何枚も買わせることなど、依存を加速させる商法を列挙しました。「依存させた方が稼げるからね」と運営側の論理に触れたうえで、ランダムグッズや特典トレカといった慣習について「本当に廃止した方がいいと思っています」と踏み込んだ発言も飛び出しました。

「ファンはマジでいい人」「優しいからこそ応援するんだろうけど」としつつ、「酒とかタバコ、ギャンブルと同じように推し活って人生が狂いやすいので、気をつけた方がいい」と警鐘を鳴らし、判断能力が鈍った人につけ込む存在がいることも指摘。

自身のファンを含め、「推し活よりも自分の人生を優先してほしい」と訴えました。一方で「もちろん熱中することと依存することっていうのは違うし、推し活って本来素晴らしいものだし、何かを本気で好きになるって本当にすごいことやん」と、推し活そのものを否定するものではないことも強調。「お金とか時間じゃなくて人生で一番大事なのは心と体の健康だから、何事も誰とでもいい距離感でいましょう」と伝えました。

さらに、現役アイドルがこうした発言をすることへの逆風にも触れ「こういうのをアイドルが言うとアイドルって夢を見せる仕事だからとか言われるんだけど、うるせえ関係ねえよ。私は自分がなりたいアイドルになるし、言わないととんでもない悪夢になるかもしれないから」と、強い覚悟を示しました。

動画の最後では、「面白いと思ったら、自分が欲しいと思ったら課金すればいいと思うし、違うと思ったらしなきゃいい。趣味ってそういうもんだからね本来」と述べ、自身の作詞した新曲のMVを引用から見てほしいと呼びかけて締めくくりました。

動画には賛否

この動画は瞬く間に拡散し、共感と反発が入り混じる結果となっています。

肯定的な反応としては「真理ありがとうございます」「またほんま・かいなさんが正論言ってる!推し活に限らず何事も依存はほどほどにですね」「これ程までに有無を云わせぬ正論を叩きつけられるアイドルいないだろ」といった声が上がり、「家の娘に観て貰いたい」とのコメントも。

一方で批判的な反応も少なくなく、「浅いアイドルやな。実際俺と推しはお金じゃなくて愛し合ってるんだが」「ハマってる人に水を差すようなこと言ってくるような奴がアイドル名乗んなよ」といった反発や、「炎上商法とオタクに最後寄り添えばホイホイついてくるやつがいるからそのための動画やな」と発信そのものを商法と捉える皮肉も寄せられました。

「業界の構造問題は、実力者が語ると問題提起になるけど、大して結果の出てない人が喋ると単なる愚痴になっちゃう」と、発信者の立場に切り込む冷静なコメントもありました。また、「(推す対象が人間の)ヲタクですらない外野の人間がわざわざ一番ブチ切れに来てるのほんとに謎」と、推し活経験のない層の過剰反応を指摘する声も見られ、議論はファン層を超えて広がっていきました。

さらに、グループ公式アカウントである「BLUEGOATS(ブルーゴーツ)」も自ら動画を引用し、「アイドル『ファンとアイドルはお金だけの関係』言った」とユーモラスに反応。「正論言ってるフリして逃げてるだけ」という批判の声に対しては「こんなに身体張って歌っているアイドルのどこが逃げてるか教えてもらいたいです」と反論する投稿も行いました。

同じグループのメンバーであるチャンチーも引用ポストで「皆さん気を付けてください!いい事を言ってる風ですが、彼女はめちゃくちゃギャンブルしてます!笑」と、有馬記念で10万円失ったエピソードを引き合いにツッコミを入れ、メンバー間のいじりで議論の熱を和らげる場面もありました。

改めて真意を説明

こうした反響を受け、ほんま・かいなは翌4月30日、自身のXで投稿の真意を改めて説明しています。「今回の動画で多くの人をお騒がせしています」と前置きし、もともとは特定のファンに届けばいいと考えて作った動画だったと明かしました。お金に苦しむファンの存在を目の当たりにし、推し活依存にまつわる悩みを抱える人たちにメッセージを届けたかったというのが投稿の出発点だったといいます。

強い言葉を選んだ理由については、「自分の経験上、人の考え方は簡単に変わらない。そしてより多くの人に共感してほしいと思い『依存してる側』に立って強い言葉を使って、主語を大きくして、余計な事も言った」と説明。そのうえで「動画をちゃんと見てもらえれば分かる通り、推し活や推しメンに熱中してる人のことを一ミリも腐してはない。嘘はついてない」と、動画の本来の趣旨を強調しました。

また、立場上の批判も覚悟のうえでの発信であったことも明かしています。「地下アイドルが何言っとんねん、ライブアイドルならライブだけしてろ、とかは自分が一番分かってる。叩かれてるのはどうでも良くて、ただ悩んでる人に、自分の人生を大事にしてほしいと思っているって伝えたかっただけ」と、自分が叩かれることよりも悩んでいる誰かに思いを届けることを優先したと記しました。

最後には「音楽だけで全て伝えられるほどの力も今はまだなくて悔しい。でもこんな伝え方しかできない私のことを普段から応援してくれている人たち、いつも本当にありがとう!これからもよろしくお願いします!」と、応援してくれるファンへの感謝の言葉で結んでいます。